宮城県耳鼻咽喉科医会からのお知らせ

2020年のスギ花粉の対策

 スギ花粉の季節がやってきます。宮城県は一昨年に続き二年連続の超大量飛散でしたので、スギの特性と現在の花芽の着花状況を考慮すると、今年の総飛散数は平年以下の3,000~5,000個と予想されます。

 昨年の飛散開始は例年より早く2/23でしたが、今年はさらに暖冬により早まる可能性があります。その場合飛散期間が長くなり、油断しているとシーズン終盤で症状増悪することもあるので、いつも通り初期療法とそれに続く維持療法が基本となります。

 スギ花粉症は三大症状のくしゃみ、鼻水、鼻づまりと並んで目のかゆみ、喉の症状、そして睡眠障害、倦怠感、集中力低下を招きます。いつも通り初期療法、セルフケア(マスク、ゴーグル、スプレー、空気清浄機)、こまめな花粉情報のキャッチなど充分な対策をとりましょう。飛散が始まりクリニックが混む前にお薬を処方してもらい、服薬開始時期は主治医の指示に従うと良いでしょう。

 近年は簡易式の鼻洗浄キットが知られるようになり、こちらも花粉を体内に入れないという意味で有効ですが、適切な使用法が望まれますので耳鼻咽喉科医に気軽にご相談ください。その他の花粉症対策としてヨーグルトが注目されています。薬剤以外で治したい方の間でとても人気ですが、発症前からの摂取が大切なようです。

 スギ花粉症においても今シーズンより保険適応となりました。今までの治療で満足できなかった方や受験生、スポーツ選手などには選択肢が増えたと考えてよいです。ただし実際の治療には耳鼻咽喉科専門医による判断と高額の自己負担が発生しますので、興味のある方はまずかかりつけの耳鼻咽喉科にご相談ください。

文章 中林耳鼻咽喉科 中林成一郎先生